提訴をすると、相手方からすぐに「準備書面」という名の反論が返ってくる。その準備書面を見ると、ことごとく自分たちの行動を正当化してくるのである。
そもそも、保険会社も旅行会社も、日射病だから支払えないとしていた。日射病は、水分補給をしないと、徐々に水分が失われるため気が付かず発生するとの理由を挙げていた。しかしながら、この2社は、そもそも事故当日の気温すら把握していなかったのである。当日は雨模様、気温も最高気温で16度と、6月にしては気温が低く、そもそも日射病が発生するような条件ではなかったのだ。そんなことも調べずに保険会社は不払いを決めたのだ。あとは、この決めた結論を変えるのは、自らの誤りを認めるためのものであるから、なんだかんだ、屁理屈をつけて支払わないようにしたのだ。
特に、この保険会社は、支払わない理由を裁判長から聞かれても、「よくわからない」という形で全く自分たちのいい加減さをさらけ出す場面もあり、裁判長からもっとしっかりと、支払わない理由を明確にするようにとたしなめられていたのである。
私は、科学的な根拠、および、法的な過去事例などをしっかりと調べ上げてのぞんだので負けることはないだろうと思っていたが、実際の裁判はかなり厳しいものであった。
父は、サウナ内で一人で倒れているところを発見された。そのため、倒れたところを見た人もいないし、いつ倒れたのか、いつ熱中症が発生したのかの機序を証拠として提示しなければならなくなった。
旅行会社は、医師のヒアリング内容を証拠として提示したが、その証拠として挙げたのは、「起立性低血圧が発生し、意識消失した可能性がある」という発言だが、この「可能性がある」という事だけであり、断定はてきないため、いつ熱中症が発生したかはわからないというものであった。常に旅行会社・保険会社の顧問弁護士らは、「わからない」から「払わない」というスタンスを貫くため、腹が立って仕方がない。
企業として、どこまでとぼけるのかを、ある意味、綿密に計画して自分たちを守るのである。これが、真摯な態度を失た自己防衛むき出しの企業の姿である。
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